農家のトマト栽培記録「種まき」2016年3月9日

トマトの収穫は6月下旬に始まり11月まで続きます。
収穫して丸末のおいしいトマトをお届けする時のことを思うと、種まきしたばっかりなのに、なんだか嬉しくなってくるんですよね。不思議なものです。

「半年も収穫し続けるんですか?」って驚く人もいらっしゃいます。
家庭菜園など屋外の露地栽培だと、さすがにこれだけ長い期間おいしいトマトを収穫することはできないかと思います。

プロの農家が半年もの間、おいしい実をつけてくれるトマトをどうやって作っているのか?
それをお伝えできればいいなと思っています。

今回は、「種まき」をご紹介します

トマトの種まきはまだまだ寒い3月

今年は3月9日に種まきをしました。例年より少し遅目です。

これが種まきの時の写真です。
とまとの種まきをしているところ
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「種まき」と聞いてイメージする姿とは違うかな?いかがでしょう?

畑の畝に種をまく姿を想像されるかもしれませんが、種から畑で育てるわけではなく、まずは種床に種をまいて苗を育てます。

また、丸末のトマトは露地栽培ではなく、ハウスでの水耕栽培です。
長い収穫期を通して、安定して市場においしいトマトを供給するためにこの方法で栽培をしています。

ここが全部トマトでうめつくされます。手前ミソですが、これが良い眺めなんです。
とまと栽培用のハウス
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実はこのハウスは全部、自分たちだけで作りました。給水設備など専門的な技術が必要なところは専門の方に手伝っていただきましたが、あとはほぼ自分たちだけで作ったんです。

たいへんだったけど、今は作ってよかったなあって思っています。
農業は自然を相手にする仕事ですから、天候の影響を大きく受けてしまいます。

天気の影響をまともに受ける果樹等だけに特化せず、天候の影響を受けにくい施設園芸も並行して行うことによってリスクを分散することができるのです。設備投資は必要ですが、安定した農業経営のためには必要なことだと考えています。

これが種をまく種床です。
とまとの種床

種床にはバーミキュライトを使っています。バーミキュライトは水や空気を通しやすく、断熱性や保湿性が高いので発芽を促すのに適しています。
バーミキュライト

種床には幾筋もの溝をつけます。
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ここにトマトの種を1つずつ置いていきます。同じ所に2つ置いてはダメです。必ず1つずつ。うっかり2つ置いてしまった場合にはピンセット等を使ってなおします。
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丸末で作っている品種は「りんか409」です。
糖度が高くて食味のよいトマト。甘いだけでなく酸味とのバランスも良いので丸末のトマトをぜひ食べてみてください。
りんか409

トマトの種まきは細かい作業ですから根気強く、ていねいにやらなくちゃいけません。
種床と種が同じ色で見分けがつかない。それは農家も同じです。目が辛い!
種と種床の見分けがつきません

歳をとるとどうしても目が辛いんですよね。
この日は若い人が写真を撮りがてら手伝ってくれたんだけど、若いだけあってこういう作業が上手なんだよなあ。来年も頼むぞ!

種まきの作業は1日で終わります。
暖かいハウスの中で種はあっという間に芽を出し、1週間から10日ほどで5cm程度に成長します。

さあ、今年のトマト栽培がスタートしました!
もうこれからはノンストップ。あっという間にトマトは大きくなっていきます。

この日は体調がイマイチだったなあ この日は体調がイマイチだったなあ